【第27回】幼児期の言葉の発達

子育て応援コラムでは、子育て中の方たちに役立つ情報などを発信します。

今回は「幼児期の言葉の発達」をテーマに、言葉を育てるかかわり方について紹介します。

体と心が十分に育つと言葉が育ちます

人間の脳は、大まかに3つの部分に分かれており、体をつかさどる脳幹、心をつかさどる大脳辺縁系、言葉をつかさどる大脳皮質の順に発達します。言葉をつかさどる大脳皮質の発達を促すには、まず体と心が十分に育つ事が必要になります。規則正しい生活リズムを作り、体の発達に合わせた十分な運動と人とのふれあいなどの心地よい経験をたくさんし、言葉の発達の土台を作りましょう。

 

遊びや生活の中で言葉を育みましょう

言葉の発達には、聴く力、言葉を理解する力、模倣する力、安心できる人間関係などが必要です。言える言葉を増やす前に、子どもの中に伝えたいという気持ちが育っている事が大切です。お家の人と一緒に遊びながら、“うれしい”“楽しい”と思わず言葉が出るようなかかわりの中で楽しみながら言葉を育てていきましょう。

〔かかわりや環境の工夫の一例〕

1.子どもの世話をしながら、また、子どもの動作や気持ちに合わせて声をかける

「おむつを替えようね」「気持ちいいね」など、世話をしながら声をかけましょう。動作を言葉にしたり、気持ちを代弁したりすると言葉の理解も広がります。

 

2.擬声語、擬態語(様子を表す言葉)を使う

「ころころ」「とんとん」など、様子を表す言葉は、同じ音をくり返します。リズム感があり、子どもが言いやすく覚えやすい言葉です。

3.五感を通した豊かな体験をする

見て、聞いて、味わって、触れて、感動して言葉は育まれていきます。心が動くと思わず言葉や声が出る事もあります。また、人と一緒に経験する事で、気持ちを共感し合う事も大切です。

4.口周りの機能を高める

話す時は、口を使います。噛む、飲み込む、舐める、吸う、吹くなどの様々な動きを経験できるように、食事やおやつの時に大きさやかたさ、形状を工夫したり、しゃぼん玉などの口周りを使った遊びを取り入れたりしましょう。

 

子どもが伝えたい気持ちを育てましょう

子どもは、言い間違いやうまく発音できない事もあるでしょう。その時は、無理強いしたり言い直しをさせたりするのは控えましょう。言葉を出させようとする働きかけや正しく話す事よりも、子どもの″伝えたい″と思う気持ちを育て、話す事に苦手意識をもたせないようにする事が大切です。

 

人とのやり取りを大切にしましょう

テレビやスマホなどから受ける言葉の刺激は一方的です。言葉を覚えることはできますが、人と実際にやり取りする力は、人と人とのかかわりの中で学びます。視聴する時間を少し減らして、生きた言葉のやり取りを大切にしましょう。

【参考文献】「生まれたときからことばを育てる暮らし方」 著:中川信子

更新日:2020年02月15日