【第15回】子どもの世界の見え方を知ろう!

子育て応援コラムでは、子育て中の方たちに役立つ情報などを発信します。

今回は、「子どもの世界の見え方を知ろう!」というテーマで、子どもの視力や視野などについてご紹介します。

子どもの世界の見え方を知ろう!

子どもの視力や視野は、大人と違うことを知っていますか。

子どもが大人と同等の視力を持つようになるのは3~6歳。
視野については、6歳になっても、大人と比べるとかなり狭いと言われています。

今回の子育て応援コラムでは、子どもたちの安全を守るために、大人に理解しておいてもらいたい、子どもの世界の見え方などをお伝えします。

子どもの視力

赤ちゃんの目は、生まれた時点で「器官」としてはほぼ完成しています。しかし、視力や色覚など目の「機能」は、成長と共に発達していきます。

子どもの視力発達の目安
時期 視力
新生児 明るい・暗いが分かり、顔の正面にあるものを凝視することができます。
3か月頃 物の色や輪郭は、全体がぼんやりしている段階ですが、人の顔とそれ以外の物が区別できるようになります。また、左右に動くものを目で追う「追視」ができるようになります。
6か月頃 視野が広がり、数メートル離れた物体が捉えられるようになります。まだ輪郭はうっすらしていますが、人の表情の違いが分かるようになります。
1歳頃 奥行きや物の立体距離感が感じられ、物の形の区別ができ始めます。
2歳頃 四角・丸・三角など形の区別がつくようになります。
3歳頃 輪郭は多少ぼやけるものの、形の違いがはっきり分かってきます。発達に個人差がありますが、この頃から1.0の視力を持つ子どももいます。
6歳頃 ほとんどの子どもが大人と同等の視力(1.0)を持つようになります。

子どもの視野

 スウェーデンのステイナ・サンデルス氏の実験によると、6歳くらいの幼児の平均的な視野は、左右(水平)で90度程度、上下(垂直)で70度程度とされています。
一方、大人の平均的な視野は、左右(水平)で150度程度、上下(垂直)で120度程度あります。
上下左右ともに、大人の6割程度しか見えておらず、子どもの視野はかなり狭いことが分かりますね。
幼児期の子どもは、転びやすかったり、物にぶつかったりする行動が多く見られますが、その理由の一つとして、視野の狭さが考えられます。

大人と子ども(6歳程度)の視野
  大人 子ども
左右(水平) 150度 90度
上下(垂直) 120度 70度

子どもの特性

視力や視野に加え、子どもの特性についても知っておきましょう。

1.目の高さが大人より低く、視野も狭いため、空間を把握する力が弱いです
2.ひとつのものに注意が向くと、周りのものが目に入らなくなります
3.重心が高く、バランスを崩して転びやすいです
4.大人の真似が大好きです
5.狭いところやすみっこが大好きです
6.じっとしているのが苦手で、注意力も不足しています
7.気分屋さんで気まぐれ、好奇心旺盛で怖いもの知らずなので、何をするか予測不能です

外出時の事故に注意しましょう

事故は、大人のちょっとした気配りで防ぐことができます。

1.道路を渡る時は「ここで止まって、右を見て、左を見て、手を上げて渡ろうね」など、具体的に教えましょう
2.子どもをつれて外出する時は、先に歩かせたり、走らせたり、後に遅らせたりせず、手をしっかり握って一緒に歩きましょう
3.子どもが道路の反対側などにいる時は、飛び出しの危険があるので、絶対に声をかけないようにしましょう

親だけでなく、周囲の大人も、子どもの視力・視野・特性を理解した上で、みんなで子どもの安全を守ることができるといいですね。

更新日:2019年02月26日