1歳~2歳の巻

Q:公園や子育てサロンで遊んでいても、みんなの中に入らないで、一人で親を気にしながら遊んでいます。友だちと遊べるようになるために、保育園に入れた方がいいのでしょうか?

A: 1歳も後半になってくると自分に近い年齢の子どもたちが遊んでいる姿に興味を持ち始めますが、まだ一緒に遊ぶことはなかなかできないものです。
それでも積極的に外に出かけることは社会性を広げるためにも大切な機会です。
成長段階を考えても、この時期はまだ一緒にいるお母さんをよりどころにしながら遊んでいます。もう少し成長して自信がつけば集団遊びも自然にできるようになるでしょう。あえて意識的に親から切り離して集団生活をさせる必要はないでしょうね。
親が関わりながらお友だちとの遊びを促してあげてください。

Q:気に入らないことがあると、かみつくことがあります。時には母親にもかみつきます。
好き放題にさせておくと、「やってもいいことなんだ」と思ってしまうので、「ダメ、やめなさい」と言うのですが、一向にやめません。

A: 自分で何かしようという思いからの行動ですが、まだしていることの善悪の区別がつかない時に起こりがちです。また、この頃の子どもは、自分の気持ちが言葉で伝えられないもどかしさを、「かみつく」ことで表わしているのです。
そんな時は子どもの気持ちを汲みとり、同じ目線にしゃがんで、「やめようね、かみつかれると痛くて悲しいよ」などと優しく教え、その都度やめさせるのがいいでしょう。
最初は同じことを繰り返すかもしれませんが、そのたびに辛抱強く言い聞かせること。「あ、かみつくと大好きなお母さんが悲しむんだ、やってはいけないことなんだ」と、分かってくるようになります。
時には親の反応をおもしろがって何度もする子がいます。
ダメな時は「ダメ!」「イタイ!」と少し口調を強めて言うのも効果的です。

Q:服や靴の着たり(履いたり)脱いだりを自分でやりたがるのですが、思うようにできなくてカンシャクをおこしてしまいます。着せようとしても気に入りません。

A: 「着る」より「脱ぐ」方が楽ですし、上着よりズボンの方が簡単です。やりやすい方から始めて、「できた」の経験をたくさん積んであげたいものです。二人羽織のように後ろから大人が手を添えてほとんどやってしまったとしても、「手柄」は子どものものです。
「ダメ」と制止されるとかえって手がつけられなくなります。「子どもの育つ力」を尊重して、必要に応じて手を貸してあげてください。子どもが自分の力で伸びようとしている時期です。

Q:お手伝いをしたがります。お手伝いというより、私と同じことをしたいようです。どこまでさせたらよいか迷うことがあります。やらせないと大泣きします。

A: お手伝いというと、「役に立つ」ことをすることと思ってしまいますが、子どもにとってのお手伝いは、憧れであるお母さんやお父さんの真似をしてやってみたいというだけのことなのです。
洗濯物を干すのと畳むのに、「○○ちゃんのタオルです・・」と歌いながら一緒にやったり、お鍋に入れるキャベツやレタスを手でちぎったりしてもらうのもよいでしょう。かえって、「手間になること」もありますが、挑戦させてあげましょう。
「○○ちゃん、手伝ってくれて、お母さんうれしいよ」と言ってあげましょう。
できないことは、「お母さんやってって言えばいいんだよ!」と教えてあげましょう。

Q:食べ物でも玩具でも、気に入らないとポイと投げ捨てます。「めっ!」と、いけないことだということを優しい口調で伝えているのですが、まだわからず何度もやります。

A: 発達段階の自然な流れですので、何度言い聞かせても繰り返すものです。
「ポイ」するおもしろさ、感触、音、動き、様子など、果てはお母さんの反応を楽しんでいることさえあります。赤ちゃんは何でも経験で物事を学んでいきます。
玩具の自動車を「ポイ」したら「ブーブ痛い痛いね。そっと置いてあげたらブーブうれしいね」と言うように玩具の気持ちを代弁するような言葉がけもしてみましょう。
食べ物なら、「ちゃんと食べてくれたら、ママうれしいのよ」などと言いながら、ものをいたわり大事にする気持ちも育てましょう。
言葉が十分話せないうちは気持ちを態度で表わします。玩具を投げるという行動については注意し、その背景にある気持ちを汲む声かけもしてあげてください。

Q:使っていない玩具でも、人が触るとすぐに欲しがって友だちを押したりします。なかなか「どうぞ」「かして」ができません。

A: 今はまだ自分中心に考え、行動する時期です。お友だちの立場になって考えられなくて当然です。親が傍にいて「貸して」や「終わったら貸してね」と子どもの気持ちを代弁する声かけをして、「待つこと」などを教えてあげましょう。
しばらくはついて歩くのが大変だとは思いますが、子どもが集団に慣れるまではついていてあげてください。
かかわり方が分かったら、一歩引いて見守りましょう。また、うまく遊べない時には、「これは○○ちゃんのだね。でも△△ちゃん使いたいんだって。貸してあげようか?」などと、相手の子の気持ちを言葉にして伝えてあげましょう。

Q: お気に入りのタオルを寝ている時も離しません。洗濯もままなりませんが離すにはどうしたらよいでしょうか。

A: お気に入りのものは安らぎの源ですから、無理に取り上げるのはかわいそうですね。洗濯は夜中寝ていてタオルを離している時などにしましょう。
また、そろそろお母さんの言葉の意味が分かってきますから、1歳半ぐらいになると、「大切なタオル、きれいにしようね」などと言ってみるのもいいでしょう。

Q:夫婦共働きで、子どもと夜遊ぶ時間を作ると就寝が遅くなってしまいます。 夜型になってしまうのではと心配です。

A: 赤ちゃんの生活リズムを崩さないためには、夜型の生活は好ましくありません。 それぞれの家族の事情もあると思いますが、普段はできるだけ早い就寝を心がけましょう。
「スキンシップの時間が不足する」ということなら、休日の昼間をフル活用しましょう。あるいは、早寝早起きができるようになれば、朝のわずかな時間でもスキンシップの時間が作れるものです。

Q:人見知りがあり、ママにベッタリです。もうすぐ下の子が生まれる予定ですが、どのように接すればよいのでしょうか。

A: 下の子が生まれたからといって、”お兄ちゃん、お姉ちゃん”になるのはこの年齢ではまだ無理です。上の子、下の子というふうには考えず、同じように二人の子どもを育てるという感覚で接するのがいいと思います。
赤ちゃんが眠っている間は、上の子の依存心に十分応え、甘えたい気持ちを満たしてあげましょう。お母さんが自分の気持ちに応えてくれていると感じたら、信頼感、安心感が生まれます。
下の子にかかわっているお母さんを待っていられるようになるためにも、そのことが大切です。満たされていないとやきもちを焼いたり、下の子にいたずらをしたりすることにもなります。

Q:一時保育で預けると、必ずといっていいほど病気をもらってきます。利用したいのですが、病気が怖くて悩んでしまいます。

A: この年齢の子どもたちは、病気にかかりながら一生懸命に体を鍛えていくものです。体の中に病気に対する抗体を持たない限り、3歳ごろまではよく風邪もひき、熱も出します。
集団生活の中では特に、「またうつされた!?」といったことも多いでしょう。
予防しても、かかる時はかかるものと考えてはいかがでしょうか。
子どもにとっては、いろいろな心の刺激もとても大切なものです。病気にかかった時の覚悟をもって、どんどん外に連れ出してあげましょう。

Q: 1歳半を過ぎてから、夜泣きをするようになりました。毎日ではないのですが、寝ぼけながら「うーうー」と苦しそうにうなっています。しばらく抱っこをしていると、また寝ます。

A: この時期は自我が芽生えてきて、自分を主張したい頃で、思うようにならないことが泣く原因になったりします。赤ちゃん時代の夜泣きとは違います。
夜ふっと目が覚めて、思うようにならない自分を感じて泣きだすといったことがあります。しばらく抱っこしたり、声をかけたりすると泣きやんで、また寝つくようです。ポイントは安心させてあげることです。「大丈夫よ。ママはちゃんといるよ!」などと声をかけて抱きしめてあげましょう。

Q:絵本の読み聞かせに興味を示しません。この先、ことばの理解や物の名前の覚えが遅れてしまうのではないかと心配です。

A: 絵本の好きな子もいれば、興味を持たない子もいます。持たないからといって、言葉の理解やものの名前を覚えるのに影響することはないようです。
自分の好きな車や虫などの絵本に出合うと、がぜん興味を持つようになる子もいます。そんな出合いができるためにも、絵本が身近なところにあるといいですね。

Q:かまってほしいのか、叱るとよけいふざけます。わざとやっているようですが、どのように対処したらよいでしょうか。

A: お母さんとのかかわりの中でふざけるのは、自分を表現しているということで、自立の一歩です。それを支えているのは、安心感です。お母さんが安心して接することができる存在だからこそ、楽しくふざけるのです。しかし、してほしくない時は、お母さんの気持ちを「それはやめてね」などと言葉で伝えましょう。
普段からかかわり遊びをたくさんして、心を満たしてあげましょう。

Q: もうすぐ2歳になるのに、寝る時におっぱいが欠かせません。

A: お母さんに抱っこされておっぱいを飲んでいる時期から、一歩成長の段階を踏み出す時期です。子どもの中では卒乳の“準備”は整っているようです。思い切って”トライ”してみましょう。お母さんが踏ん切りをつけてくれるのを子どもは待っているということもあります。
一度や二度、うまくいかなくても、タイミングをみてまた試みましょう。

Q:夜寝つくとき、暗くすると怒り、明るい所で寝たがります。夜中に目を覚ましたときも暗いのを嫌がり、明るい部屋で少し抱っこすると寝ます。「夜=暗い=寝る」ことをわからせたいのですが・・。

A: 暗いのを嫌がるのは、不安や怖さの体験が暗さと結びついているからでしょう。ですから、無理に部屋を暗くすると、ますます暗い所で寝られなくなります。
夜中に目を覚ましたら、スタンドなどをつけて部屋を少し明るくしてから、「大丈夫よ。ママはここにいるよ!」と声をかけ、安心させてあげましょう。手を握ったり、背中をさすったりしてあげるのもいいでしょう。そうしていくうちに、「暗くてもママがいるから大丈夫!」ということが分かってくるでしょう。

Q:リンゴジュースが好きで、一日に何回も飲みたがります。あげないと床にひっくりかえって泣くので、ついついあげてしまいます。

A: 2歳も近くなると、味覚も発達してきて味の好みもはっきりしてきます。「リンゴジュースがおいしい!」となったら、いくらでも欲しがるのは自然なことです。
でも、欲しがるからあげるのでは、栄養のバランスや好みのレパートリーを広げる意味でもやや問題があります。
「ジュースちょうだい!」に対抗するためには、時には意図的に買い忘れるのもいいでしょう。「あっ!ごめんね。今日買い忘れちゃった!」と。ジュースのない時も作ってみましょう。なければ飲めませんものね。

Q:1歳8か月の男の子です。トイレトレーニングをいつから始めたらよいでしょうか。どうやって外したらよいのですか。

A: トイレトレーニングを始めるタイミングは、子どもによってかなりばらつきがあります。しばらく順調だったのに急にできなくなることも珍しくありません。
親はよその子や兄弟と比べて、早いおそいを気にし過ぎるものです。「おしっ こに行きたい」「もうおむつはいらない」と思えるまで、無理にはずそうとしない方がいいようです。

始めるタイミングは次の3点です

  1. あんよが上手になった。
  2. 言葉が話せるようになった。
  3. おしっこの間隔が2時間以上あくようになった。

進め方

  1. おしっこをしたいという意思表示をするようになったらトイレに誘ってみましょう。(※強制や長居はトイレ嫌いになりますから要注意)
  2. できたときは「おしっこが出て良かったね」とたくさん褒めてあげましょう。
  3. トイレが楽しくできるように、絵本やビデオなどを見せたり、トイレに子どもが好きなものを飾ったりして楽しい雰囲気にしてみましょう。
  4. 日中、外で遊ぶ時など、トレーニングパンツに切り替えて失敗することでおしっこが出る感覚を感じさせてあげましょう。(※失敗したことを叱らないでできたことを褒めましょう)

Q: トイレに誘ってみるのですが、行きたがらず漏らすことが多いのですが。

A: トイレの自立は個人差が大きいものです。子どものペースに合わせていきたいものですが、楽しく頑張れる「トイレに誘うアイデア」を紹介します。

  1. 「ねえ~○○ちゃん、そろそろおしっこ出る頃だから、一緒にトイレに行って 、ママにおしっこできるところ見せてくれるかな?」などと誘い、できたら「 すごーい!」「ねえ、ママにまた見せてね」と誉めましょう。
  2. トイレ時間を決めて携帯のアラームを利用し、時間をセット!
    遊んでいても突然鳴るので、「あ!○○ちゃん、おしっこの時間だ!」と言うと、すんなり行けるようになるようです。
  3. 「○○ちゃんは行きたくなくても、おしっこ君がもう出たいって言っている頃だよ。かわいそうだからちょっと行ってみない?」と誘う。
  4. 数字に興味が出始めたら、おしっこの時間を決めておいて、時計を見せて「長い針がここまで来たら行ってみようか」と、前もって予定を入れておく。
  5. 汽車ごっこで「トイレ駅へ向かいますう」なんて、楽しいです

いろいろなアイデアを試してみてください。できるようになるまで、あと少し!

Q:おっぱいは、いつまで与えればいいの?1歳前に卒乳した子もいてあせります。

A: 1歳を過ぎて幼児食に移る頃になると、食事だけでほとんどの栄養がとれるようになりますから、栄養面での母乳の役割は終わりということ になります。
でも、おっぱいが赤ちゃんの精神安定剤になっているようなら、2歳でも3歳でも吸わせてかまいません。
個人差が大きいので他の子と比べないでくださいね。
ただし、下の子を妊娠した時は乳首からの刺激で子宮が収縮し、流産・早産の引き金になります。
卒乳しましょう。

Q:卒乳が遅れると、虫歯になりやすいでしょうか?歯並びへの影響は?

A: 母乳を飲ませてそのまま寝かせてしまったり、歯磨きが十分でなかったりする場合、むし歯になりやすいことは事実です。1歳を過ぎての母乳は体の栄養というよりは、心の栄養が大きいと考えられています。規則正しい生活リズムと歯磨きで虫歯を予防しましょう。
卒乳の遅れが歯並びに影響することはないと思われますが、4歳過ぎての指しゃぶりは歯並びに影響する場合があるようです。

Q:サロンに遊びに来ても、母親の膝の上から離れないので困っています。

A: 人見知りは、おかあさんと他の人の違いがわかってきたからこそ起きるものです。 お母さんのお膝の上で安心しながらお友達や周りの様子を見て、次第に人や場所に馴染んでいきます。「そのままでいいよ。ママはここにいるよ」というメ ッセージを送りながら、見守っていきましょう。お母さんが仲良く話す姿を見ているうちに、こどもも警戒心をといていくことでしょう。
中には「うちの子は人見知りしないの。手がかからなくていいわ」と言われる 方もありますが、気質の違いや個性の違いによるものです。
また、子育てサロンなどで、子どもと一緒に体を動かして遊ぶことで、興味を 広げたり、深めたりすることにつながっていきます。余裕をもって出来る限り付き合って見守っていきましょう。
子育てサロンにも進んでご参加ください。 会場は、市HPの「子育てサロン」をご覧ください。

Q:じっとしていなくて困っています。

A: 子どもは大人と違い、じっとしているのが苦手です。
子どもはいろいろなことに好奇心をもち、それを自分で探っているのです。「落ち着きがない」と親の目には映ってしまいますが、ゆとりの気持ちで接してあげましょう。
ただ、命にかかわるようなことは制止し、他人に迷惑をかけたら、子どもに代わって謝りましょう。
年齢とともに、だんだん周りが見えてくるようになり落ち着いてきますので、 成長の一段階ととらえ、焦らずに子どもの思いをしっかりと受け止め、向き合っていけるといいですね。
3歳児の「がまん」の芽生えは、2歳頃にたっぷり自己主張してきた日々が土台になっていますよ。

Q:一日中子どもと一緒に過ごしていると、なかなか家事がはかどらない。一人で遊んでくれればいいけど・・・・

A: 家事も、子どものお世話も大変。できれば子どもとの時間は楽 しく過ごしたいものですが、忙しい夕食の準備や掃除、洗濯などの時間になる と、決まってご機嫌が悪くなるようです。
そこでアドバイス!
家事の時間をずらす。例えば夕食の支度を午前中のご機嫌の良い時に早めにしておくとか、可能ならば洗濯や掃除は夜に回すなどはいかがでしょうか。
子どもと遊ぶのも仕事と割り切って遊んであげ、家事は副業と割り切って、いい意味で力を抜いて育児をしましょう。
ところで、赤ちゃんはおんぶも大好きです。おんぶは、目の離せない時期に家事をするのに良い方法です。腰痛になるのではと思ってしまいがちですが、おんぶしてみると、子どもはお母さんのすることに興味津々!ふと振り向く といつの間にかネンネ・・。お母さんとくっついていると安心するのですね。
家事をしながら歌を歌ったり、「今、おいしいごちそう作っているよ」「葉っぱさんきれいだね」などと話しかけたりすると、子どもは耳全開で歌やお話を聞いています。お母さんの声が大好きなのですね。

Q:何を言っても「いやいや」。叱ると余計にやったり…どのように接するとよいのでしょうか。

A: 多くのお母さん方は「叱り方」について悩まれています。

叱らなければならないことは次の3点です。

  1. 危険なこと
  2. 人に害を与えるようなこと
  3. マナーについて

2歳ごろは「いやいや」のピークです。子どもは激しくダダをこねている時でも、心の中では「きっとそうはいかないだろうな」と、ある程度妥協しなければいけないことがわかっているものです。
親としてはできるだけ、叱る前に一呼吸おいて!ゆとりのある接し方を心がけてください。繰り返し言って聞かせるなど、根気がいりますね

更新日:2017年03月30日